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視力検査について

 

他覚的屈折検査と自覚的屈折検査

 眼鏡を調製するには、視力はもちろん、眼の屈折状態を調べる必要があります。
これを屈折検査といいます。
「コンピューター視力測定装置」とも呼ばれているオートレフラクトメーターという機械は、
実は視力ではなく、屈折度数を調べています。

 この屈折検査には他覚的なものと自覚的なものがあり、
他覚的屈折検査には、前述のオートレフラクトメータ、 レチノスコープなどが使われます。
各眼のおおまかな屈折状態はわかりますが、
以降に行われる自覚的屈折検査をスムーズに進行させるための予備的な検査であり、
正確な屈折度数は自覚的屈折検査により導き出されます。

 自覚的屈折検査は、検者と被検者の対話によって進行し、
見え方を比較したり、見え方を確認しながら、適切な屈折度数を求めていきます。

単眼遮蔽屈折検査と両眼開放屈折検査

 自覚的屈折検査の方法を大別すると、
片方にフタをして片方ずつ測定する単眼遮蔽屈折検査
両方の眼で視力表を見ながら片方ずつ測定する両眼開放屈折検査に分かれます。

 視力というのは、2つの別の点を2点として識別できる能力で、分解能ともいいます。
この能力を調べるだけならば、片目を塞いで視力を測定すればよいのですが、
片目を塞いでしまうと、余計な調節力の介入や縮瞳(ひとみが縮まる現象)の影響を受けやすく、
眼の本来の(リラックスしている状態の)屈折度数とは若干変わってしまう場合があります。

 私たちは、日常、両眼視の状態で生活していますし、 メガネも通常は両眼同時に使用していますので、
片目を塞いだ不自然な状況ではなく、両眼開放下において各眼別の視力を測定するほうが、
より自然に近い測定結果が得られるのは当然です。

 両眼開放屈折検査には、 偏光板を使った方法とハンフリス法(他眼弱雲霧法)があり、
ケースバイケースで使い分けます。

両眼視機能検査

 私たちは、日常、両眼を使って生活しているにもかかわらず、
多くの眼科やメガネ量販店では、 片眼ずつの「視力(静止視力)」しか測りません。
酷い場合では検査時間が5分〜10分程度という場合もあります。
それでは正しいメガネが作れるとは限りません。

 見るということは、両眼のチームワークです。
両眼が協調し、正しく働くことによって、快適な視界を得ることができるのです。
掛けた方が楽に、そして快適に過ごせるメガネを作るためには、両眼視機能の検査を実施したうえで、
一人一人の視覚機能にかかる問題点を明らかにし、それを解決(矯正)するメガネを作る必要があります。

 当店では、まず片眼遮閉屈折検査で視力測定を行い、
両眼視機能検査を経て、 最終的に両眼開放屈折検査でお客様の屈折度数を測定いたします。

※特殊な技術と知識を要する検査なので、お買い上げを前提としない検査や、
検査データのみをお渡しすることは出来ません。


システム検眼機
システム検眼機

5メートル視力表
5メートル視力表

近用視力測定装置
近用視力測定装置

深視力測定装置
深視力測定装置

当店での視力検査の流れ

予診
まずはカウンセリングから。遠用、近用、遠近両用などの眼鏡の種類、使用目的、現在の眼鏡での不満点など、 お客様のご要望をお伺いいたします。
また、裸眼視力や現在眼鏡での視力を測定し、カバーテストで斜位/斜視の有無をスクリーニングいたします。

他覚的屈折検査
オートレフ、レチノスコープを用い、お客様の屈折度数を他覚的に測定します。
(あくまでも目安ですので、最終的な結果ではありません)
レチノスコープと板付きレンズ

他覚的屈折検査に対し、以下は自覚的屈折検査と呼ばれます。

自覚的屈折検査で使用する器具

電動レフラクター(自動検眼機)

電動でレンズをセットできますのでスピーディーに検査を進行できますが、調節力や輻輳の介入が起こりやすいので注意が必要です。当店では基本的には試験枠を使用しますが、必要に応じて片眼遮蔽屈折検査、両眼視機能検査で使用することもあります。

試験枠

検眼レンズを手動で入れ替えるためスムーズさには欠けますが、自動検眼機に比べより自然な状態で検査が可能です。
両眼開放屈折検査、装用テストでは必ず使用します。

各種テストレンズ

両眼視機能検査に使用するテストレンズです。
試験枠にセットして使用します。
左からマドックス、バゴリーニSG、赤緑フィルター、偏光フィルター

片眼遮蔽屈折検査
片眼を遮蔽した状態で、最高視力とその屈折度数を測定します。 

両眼視機能検査
同時視の有無、融像検査、眼位(斜位・斜視)検査、立体視検査、不等像の測定などを行います。

両眼開放屈折検査
上記の検査結果を踏まえ、両眼開放下での自然な状態で屈折度数を検査いたします。
調節バランステスト、調節緩解テストを行い、最終的な完全矯正度数が測定されます。
余計な調節や輻輳の介入を防ぐために、必ず試験枠を使用します。

近方視力検査
近用、遠近両用、あるいはパソコン用眼鏡の場合には、目的に合った快適な近用度数を求めます。
また、近年、パソコン作業が増え、老眼以前の若い世代の方にも近見障害を訴える方がいらっしゃいますので、調節(ピント合わせ)、輻輳(寄り目)、融像など、近方での両眼視機能検査を行います。

深視力検査
大型自動車免許等では、通常の視力検査のほかに深視力検査が行われます。上記の両眼視機能の検査を精密に行うことが必要です。

装用テスト
良く見える眼鏡が快適な眼鏡とは限りません。
上記の諸検査で得られた結果をもとに、実際に見え具合や違和感などを確認していただきながら、
お客様と眼鏡の度数を相談しながら決定いたします。
装用テストなくしては快適な眼鏡は作れません

 

以上で検査は終了です。
少々お時間をいただきますが、 快適な眼鏡を作るための第一歩となりますので、
お時間には余裕を持ってご来店くださいませ


検査用視標あれこれ

自覚的屈折検査には、乱視の検査法の違いで雲霧法クロスシリンダー法があり、使われる視標の種類も若干変わってきます。
使われる視標には色々ありますが、その中でも使用頻度の多い代表的な視標、それを用いた検査方法などをご紹介いたします。

*以下の画像はイメージです。視力表によって形状に差異があります。

ランドルト環 乱視表 クロスシリンダー視標

ランドルト環

お馴染みの、視力測定に使われる視標です。環の切れている方向をお答えください。
国によって、ひらがな、アルファベット、数字などが使われ、幼児用に魚の形をしたものも存在します。

乱視表

主に雲霧法と呼ばれる屈折検査法で使われる乱視測定用の視標です。
乱視があると線に濃淡が出ます。

点群(クロスシリンダー視標)

クロスシリンダー法による乱視測定に使われます。
ランドルト環や数字視標を使うこともあります。

レッドグリーン検査 偏光バランス視標 偏光レッドグリーン検査

レッドグリーン視標

「赤が強いと近視、緑が強いと遠視」と思われている方が多いようですが、少し違います。
光が結像している位置の微妙な違いから矯正度数の強弱を判定するのに使います。赤が強いと低矯正、緑が強いと過矯正となります。

偏光バランス視標

偏光フィルターを掛けると、右目では上のランドルト環のみ、左目では下のランドルト環のみが見えます。間の線は両眼で見えます。
主に両眼開放屈折検査で、調節バランスを取るために使われますが、クロスシリンダーによる乱視の検査にも使用されます。

偏光レッドグリーン視標

偏光フィルターを掛けると、右目では上と中段の視標、左目では下と中段の視標が見えます。
両眼開放屈折検査で、各眼個別の矯正度数の強弱を判定するのに使います。

偏光十字視標 不等像検査 ワォース4灯

偏光十字視標

偏光フィルターを掛けると、右目で縦線、左目で横線が見えます。
交差している位置から、斜位の方向がわかりますし、中心で交差するようにプリズムで中和すると斜位の量がわかります。

コの字視標

偏光フィルターを掛けると、右目で右のコの字、左目で左の逆コの字が見えます。中央の円は両眼で見えます。
不等像検査(左右の網膜上の像の大きさに差があるもの)、あるいは斜位の検査にも使われます。

ワォース4灯

周辺融像の検査です。右目に赤、左目に緑のフィルターを掛けて使います。
抑制(単眼視)、複視(ものが二重に見える)の有無がわかります。

上記は代表的な視標です。
これ以外にも「時計(回旋斜位)視標」「偏光立体視標」「融像幅測定視標」「クロスリング視標」などがあります。


*ご注意

正確な屈折検査を行うには時間が掛かります。
「オートレフで得られた他覚的検査データをそのまま装用し、レッドグリーン視標で過矯正の確認をするだけ」という安易な検査を行う店もあるようですが、当然のことながら好適な装用度数が得られるとは限りません。
屈折検査には、「米国式21項目検査」に代表されますが、多種多様の検査があります。そのすべてを綿密に行うには相当な時間が掛かり、肉体的にも精神的にもお客様の負担になりますので、常に全項目を検査するのは無理がありますし、その必要もありません。
眼鏡技術者は、それぞれのお客様の眼の状態を考察し、必要な項目をチョイスして検査を進行させることになります。
場合によっては数分で完了することもありますし、1時間以上を要する場合もありますので、お時間には余裕を持って検査をお受けになってください。

 


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