夜間近視と視力
JRなのか民間の鉄道会社なのかは記憶にありませんが、就業規則に「夜間視力が1.0以上(0.7だったかも)」という職務規定があるそうです。
私たちは通常使わない言葉ではありますが、夜間の視力、つまり暗所での遠用視力という意味のようです。
さて、夜間視力と似た言葉に、夜間近視というものがあります。これはれっきとした医学用語で、私たちも良く使う言葉です。
ヒトの眼は夜間は見掛け上近視になります。
眼は環境照度、すなわち、周りが暗いと、瞳が大きくなり角膜と水晶体の球面収差のために近視的屈折状態になるのです。
図のように、水晶体中心近くを通過する光(青い線)は網膜上に正しく結像しますが、周辺を通過する光(赤い線)は球面収差のために、より大きく屈折し、網膜前方に結像してしまいます。すなわち近視の屈折状態です。
ただし、実際には、中心近くを通過する光線は正しい像を結んでいるので、必ずしも本当の近視のように視力が落ちるというわけではありません。
さて、この「夜間視力」を視力表を使わずに検査する簡単な方法があります。キャンプに行って夜空を見上げたりしているときにこの話をすると、皆が関心すること間違い無し!です。(笑)
これは北半球の代表的な夜空です。
ご存知の通り「北斗七星」は「おおぐま座」の一部で、大熊の尻尾と胴体になります。あとの星はやや暗いので、都会で探すのは大変ですが、空の暗い所では大きな熊の姿がよくわかります。
この北斗七星の、柄杓の柄の先から2つ目の星を「ミザール」といいます。この星を良くみると、すぐそばに小さな星がくっついているようにみえます。この小さな星は「アルコル」といい、このペアは有名な肉眼でみえる二重星です。この二つの星の眼に対する視角はちょうど1分に相当し、これが識別できれば視力1.0になるわけです。
実際に、昔、アラビアでは兵士の視力検査に使われていたそうです。
ちなみにこのペアは、たまたま同じ方向にある星があたかも接近しているかのようにみえているものです。
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