正しいメガネの作り方
検査について
さて、検査をするのは、一日のうちではいつが良いと思われますか?
例外はありますが、概ねは朝のうちの方が良いと思われます。勉強や仕事で目を酷使した後よりも、目覚めてから数時間以内の、目を酷使する以前の状態において検査した方が良いでしょう。
例外と言うのは、例えば、「仕事帰りに車の運転の時だけが不便」とか、「夜帰宅してコンタクトレンズを外した後から寝るまでの間に使いたい」といった場合です。
この場合は、その状況に合わせたシチュエーションで検査すると、実情に合ったメガネが出来上がります。
この、コンタクトレンズ(以下、CLと略す)と併用する場合のメガネには注意が必要です。
特にハードCLでは、「スペクタルブロー」という現象が発生し、時間の経過で屈折度が変化していきます。
CLによって圧迫されて(あるいは浮腫を起こしている場合もあります)変形していた角膜が、時間の経過と共に、本来の曲率に戻る過程で屈折度に変化が現れます。その変化の仕方はCLのフィッティング状態により様々で、予測するのは難しいものです。そして、完全に戻るには1週間から2週間、場合によっては数ヶ月を要することも稀ではありません。
ですから、CLを外した直後と、数日CLをしていなかった場合とでは、視力も屈折度も違うのです。CLを外した直後に検査して作ったメガネは、事情でしばらくCLの使用を中止する時には見えにくいかもしれませんし、逆に、合っているはずのメガネも、CLを外した直後では合わないこともあります。
CLは、本来定期的に使うものです。規定の装用時間を超えないように、毎日使う方が、メガネとの共存には便利です。CLを止めてメガネにしたい、とか、アレルギーの時期だけメガネにしたい、と言った場合には、後日レンズを交換する必要が出てくることを念頭においてメガネを作ってください。
話は変わって・・・・年に数回、休日にお酒を飲んだ後に来店されたり、晩酌の後、メガネを壊してしまってすぐ作って欲しい、と依頼があったりしますが、正直なところ、お酒が入るとちゃんと検査が出来ないことが多くなります。
視力検査は、「自覚的屈折検査」といい、検者が被検者に問いかけて、その返答によって値を見つけていくものです。すなわち、被検者の正確な返答が得られないと正確な検査は出来ないのです!
俗に言うコンピューター視力測定装置(オートレフラクトメーター)による「他覚的屈折検査」は、自覚検査に掛かる時間や手間を省き(同時に被検者の負担も減らせます)、効率的に検査を行うための予備的なもので、最終的な度数の決定は自覚的検査によるものなのです。
メガネの度数を決めるのは、最終的には貴方の判断です。
検査員は貴方の判断に役立つようにお手伝いはしますが、判断を下すものではありません。
矯正視力の数値などはある程度の目安にしか過ぎず、1.0見えればよい、とかいう基準はありません。
はっきり見える1.0と、なんとなく見える1.0では大きな違いもありますし、そもそも視力の数値というのは、明るさや視力表が変われば、おのずと変わってしまうものなのです。
視力表での矯正数値で決めるよりも、実際にレンズをセットした試験枠を掛けて、外の標識や行き交う人々の姿などを見て、現実の生活での見え方を確かめてください。
そして、よく見えるメガネと快適なメガネとは違うということも覚えておいてください。
「よく見えるけれど、足元が浮き上がって怖いメガネ」よりも、「少々見えにくいけれど違和感のないメガネ」の方が快適なこともあり得るのです。
もうひとつ、メガネを作る際に肝心なこと。
出来れば現在使用中のメガネを持参していただきたいと思います。壊れていても、レンズが割れていても構いません。レンズのかけらが少しでもあれば度数は測定できます。
今までどういうメガネを使用していたのか、という履歴情報はとても重要です。特に使用中のメガネの都合が悪い時には、どういう度数だと都合が悪いのかを知ることが出来ますので、適切な度数選びのアドバイスができるのです。
レンズの選択
レンズにはたくさんの種類があります。特に近年、プラスチックレンズの種類が増え、選択の余地が広がると同時に、多すぎて選択に迷うことがしばしばあります。
基本的にレンズの価格は、付加価値で変わってきます。付加価値というのは具体的に説明しますと、
「軽い」「薄い」「明るい」「ゆがみが少ない(注1)」「紫外線カットの有無」「各種コート加工の有無」などです。
高価なレンズほど薄く、軽く、明るい、など、確かに利点はあります。しかし、すべての方にその付加価値が必要かというとそうではありません。弱い度数では厚み、重量の点では高屈折レンズのメリットに乏しく、逆に高屈折レンズにありがちな黄変・コート剥離といったデメリットがあったりもします。
また、弱い度数や小さなフレームでは「薄い」「周辺部まで歪が少ない」といわれる非球面レンズのメリットも享受できない場合もありますし、現在流通しているフレームの多くは、マイナス度数(近視用)の非球面レンズの浅いカーブに対応しているとは言えません。(非球面に完全に対応してしまうと、逆に球面レンズに対応しません。1つのリムカーブで両対応するには無理があります)
フレームとのマッチングを考慮すると、球面レンズを選択するほうが良い場合も多々あるのです。
逆に、強いプラス度数の場合では、球面レンズではカーブが深くなり過ぎることがあり、非球面の浅いカーブの方がフレームにマッチングし易くなることもあります。
注1 球面レンズは歪みが多く性能が低い、非球面レンズは歪みが少なく高性能というわけではありません。詳しい解説はこちらをどうぞ。
フィッティングはしっかりと
メガネは最終的に、装用者の顔に合わせてフィッティングされます。
このフィッティングが悪いと、ずり下がってきたり耳や鼻が痛くなります。じっくり時間をかけて、納得のいくまで調整してもらってください。この時、「鼻の片側に重みを感じる」とか「横がキツイ」とか、なるべく具体的にお答えください。我々は、自分の目と指先の感覚に頼ってフィッティング調整するわけですが、お客様の受ける微妙な感覚まではわからないことも多いものです。
不満な点は即座にお伝えください。
また、メガネは使っているうちにネジが緩んだり曲がったり、場合によっては壊れたりするものです。つまりアフターサービスが重要な商品です。そして、原則としてアフターサービスは購入のお店にて行うべきです。その理由は「・メガネが壊れたら・・・」に書いてございますのでご一読ください。
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