メガネ屋は臭い

当店のレンズ加工機(玉摺り機)
上に見えるのは匂い消しのための空気清浄機

今から20年以上前になりますでしょうか、プラスチックレンズに大革命が起こりました。
それはプラスチックレンズの最大の弱点と言われた屈折率の低さを解消する画期的なレンズの登場です。
屈折率はレンズの厚みに直結する要素で、大きければ大きいほどレンズを薄くすることが出来ます。

初めてそのレンズを加工したとき、「何と臭いレンズだ!」と思いました。 メガネレンズは工業用ダイヤモンドを散りばめた砥石で削っていくのですが、 プラスチックの場合は比重が軽く削りかすが細かいこともあって周囲ににおいを発散します。
そのレンズの場合は、例えるのは難しいですが、「甘味のある化学臭」と言えばよいでしょうか、 なんとも不快な匂いを発していたものです。

その後しばらくは高屈折プラスチックレンズはそのメーカーの独壇場でしたが、 ある化学メーカーが新しい高屈折モノマー(分子)を開発し、 遅れを取っていた他の多くのレンズメーカーがその素材を採用し、新しいレンズを発売しました。

そしてその新素材で作られたレンズは「ニンニク」の匂いに近い刺激臭を発しました。
間もなく、その素材を改良して屈折率をさらに上げたモノマーが供給されましたが、今度は「発酵したタマネギ」を思わせる、更に刺激の強い匂いになっていました。
その後、プラスチックの高屈折化はさらに進み、あるレンズメーカーが、更に高い屈折率を持ったモノマーを引っさげて、世界最高峰の座に君臨しました。
そのレンズは、先の「ニンニク」と「発酵したタマネギ」の匂いを 足して二で割らないような圧倒的な臭気を発生するようになってしまいました。
どうやら屈折率と臭気は比例するようです・・・・
更に、現在ではより高い屈折率を持ったレンズ素材が開発され、多くのレンズメーカーはその素材で新レンズを発売しています。
言うまでもなく臭いです。凄まじく・・・

そこでお願いです。
メガネ屋に入ったときに、ニンニクの匂いが漂っていても、 それはレンズの加工臭だと思ってください。
決して朝や昼間っから、ニンニクを食べている訳ではありません・・・・

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